アニメの作り方 概要その2:制作工程と必要なもの

以下の記事は2005年の時点での内容になります。制作の流れはあまり変化ありませんが、使用するソフトのバージョン等は異なっています。

以下に、『霊珠』の場合のアニメ制作工程と必要なツール/もの、を挙げます。
完成作品のソースファイルは.avi、最終的にはmpeg2にエンコードしてDVDにすることを想定して作っています。作り方、出力形態によっては(FLASHを使うなど)いらない工程もありますし、順番がかわることもあります。



設計
プロット

脚本

絵コンテ
 1,設計:どんなアニメにするか、
       方向性を決めます。

  プロットあらすじを
   テキストに起こします。
  脚本プロットをもとに、
   シーンと登場キャラクターとセリフ
   を決めます。
  絵コンテ脚本をもとに、
   画面構成とタイミング
   を絵コンテ化。
   シーン、キャラクター、セリフをどう演出
   するかを設計します。

  そのほか、キャラクターデザイン、色彩設計、
  美術ボード(背景イメージ)
  描きなどの作業が発生します。
  ここをきっちりやっとくと、あとがラク


作画
レイアウト

原(動)画

彩色


背景


 2,作画:ひたすら絵を描きます。

  レイアウト作画用紙原寸大のラフ。
   絵コンテをもとに、実際に描く絵の
   位置や構図を決めます。
  原(動)画レイアウトをもとに、
   キャラクターの動きを線画で表現。
   ハイライト・影指定は赤・青鉛筆で。
   ここまで紙に鉛筆
  彩色線画をスキャンし、
   Photoshop CSで主線抽出、彩色。
  背景レイアウトをもとに紙に
   パース線をひき、スキャンして
   タブレットでデジタル作画。
   第1話では主にOpenCanvasを使用


編集
撮影

合成
 3,編集:描いた絵を時間軸上にならべて
       動画に

  撮影アナログアニメだと
   フィルムにコマ撮りするところ。
   編集ソフトに1コマずつ絵を読み込んで
   タイムライン(時間軸)上に並べます。
   私はAdobe AfterEffects5.5
   使っています。
   Photoshopのレイヤーを読み込めるので
   便利だが高価。
  合成背景やエフェクトを合成します。
   これもAfterEffects上で


音響
音楽制作、アフレコ

ダビング
 4,音響:映像に音を入れます。

  音楽制作フリーソフトのMUSE
   作曲して、
   MレコでMIDI→wav化して使っています。
  アフレコ一人でやったら、無理でした。
   人の力を借りねば
  ダビング音楽とボイス、効果音を
   映像にあわせます。
   AfterEffects上でやってます


出力
エンコード

オーサリング

DVD焼き込み
 5,出力:DVDプレイヤーで見られる
       ようにします。

  エンコードTMPGEncを使って
   MPEG2にエンコード。
   web上においてるのは
   無料のWindows Media エンコーダ
   WMV形式にしてます
  オーサリングDVD-Videoにし
   メニューをつけます。
   以前はDVDドライブ附属のを
   使ってましたが
   最近TMPGEnc DVD Authorを購入
  DVD焼き込みオーサリングソフトの
   入ってないマシンでも焼くので、
   B's Recoderを使用。
   生産枚数が増えたら、プレス頼むつもり


完成
   

ジャケット・レーベルをそれっぽく作れば、市販品みたいなアニメDVDの完成ですよ。ただしDVD-Rに焼いたやつは、古いDVDドライブでは読めなかったりするらしい。



各項目で使ってるものを列挙してみる

1,設計

  テキストエディタ、原稿用紙ソフト、メモ用紙、絵コンテ用紙、鉛筆、消しゴム

2,作画

  コピー用紙、動画用紙(タップ穴の空いた紙)←2つ穴パンチとかでも代用できる
  鉛筆、青鉛筆、赤鉛筆、消しゴム、トレス台、タップ←用紙を固定する
  Photoshop、OpenCanvas、タブレット、Frames(ラフな動きチェックに使用)

3,編集

  AfterEffects、Photoshop(エフェクト素材作るのに使用)

4,音響

  Muse、MuseScore(Museの補助ソフト、フリー)、Mレコ
  録音用マイク

5,出力

  TMPGEnc、Windows Media エンコーダ、TMPGEnc DVD Author、B's Recoder、
  DVD-Rに記録できるドライブとDVD-Rメディア

...こうしてみると、けっこうな勢いで金をつぎこんでいる、ということがわかりますね。
いちばん金を食ってるのはAdobe AfterEffectsです。現在最新バージョンは6.5みたいですが、アップグレードしたらなにか嬉しいかなぁ。

しかし、霊珠の場合はTVサイズ(約25分)/それなりの解像度(640×480)のムービーなんでこんなことになってますが、そんなデカいファイルを作ろうとしなければ、たとえば15秒とか30秒とかの短いムービーなら、.aviでも、フリーソフトだけでできないことはないと思います。
出力がGIFアニメの場合は、Photoshopを持っていれば同梱のImageReadyでつくれます。特許問題もなくなりましたし、フリーソフトも復活するでしょう。
出力がFLASHの場合は、作画・編集は全部FLASHでおこなうので、FLASHだけ買っとけば事足ります。
また、FRAMETOONというソフトは、コマ毎にタブレットで手書きしてアニメつくりたい、という人には最適です。これ1つで作画、編集ができ、.aviまたはFLASHで出力できます。私はタブレット作画がいまいちできないので、直接完成品を作ったことはないですが、動画のラフの動きチェックに使ってます。(前バージョンのFRAMESてやつを、ですが。)


というわけで、概要おしまい。細かい話に移ります。



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コメント(1)

こんなに丁寧に解説して頂いて、ありがとうございます!感謝感激です! 値段も結構しますけど、やはりAfter Effectsっていうソフトは大事なんですね、、

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