プロットを書く目的と、書き方の例

プロットを書く目的

 プロットは、商業作品では、
 スポンサーに「こういう作品を作りますから制作費ください」とお願いしたり、
 「私を使ってください」と営業しに行くとき等に持って行く企画書のようなものです。
 採用されたら、プロットをもとに脚本や設定が起こされ、制作が開始されます。

 自分の作りたいものを作る自主制作において、プロットは制作上必須ではありません。
 が、プロットを制作前に決めておくと、以下のようなメリットがあります:

1.ストーリーを言語化する作業を通して、作品テーマを明確にできる。
2.スタッフ間での制作意図の統一がしやすくなる。
3.上映会、コンペ、紹介サイト、委託店舗への出品・依頼などの際の作品紹介文にも転用できる?

 制作では全ての面で、「前工程を省略すると、後の工程にしわ寄せがいく」ものです。
 ストーリーの骨子はプロットの段階で固めておくようにすれば、
 後の工程で考えることが少なくすみます。

プロットの書き方の例

 これは私流の書式です。
 提出先が決まっている場合は提出先のフォーマットに従ってください。


 ●まず、タイトル、執筆日、原作者名(いれば)、執筆者名、等必要事項を書きます。
  提出するものであれば日付と提出者の名前が最重要事項です。

 ●概要(シノプシス)として、
  数十字~100字程度の短いあらすじと、登場人物の紹介を添えます。
  あらすじは起承転結各1行ずつぐらいが目安です。結末まで漏らさず書きます。

 ●プロットを書きます。
  ストーリーの流れと、シーン中で何を表現したいのか、が
  自分以外の人(スタッフ)に誤解なく伝わるように書くことが重要です。

  映像作品のプロットは、映像の長さに見合った情報量を意識して書きましょう。
  作品そのものではありませんので、過剰な文学的表現は避けましょう。
  下の例では、映像中で起こる出来事、状況の変化などを、
  場面毎に区切って書いていますが、
  こうしておくと、あとの作業はプロットを肉付けする方向性で進めればよいので、
  効率的だと思います。


超法戦隊S.T.7 プロット
第1話「黄金の石、舞い降りた剣」

原作 玉英
執筆 2007年3月27日 修正 2008年3月15日
脚本 玉英
概要
 ■アウトライン
 剣道少年・天間ショウは、競技場で、空から現れた異形の怪獣に襲われるが
 不思議な石を手に入れたことで、
 戦闘機型の巨大メカ「ゴールドブレイド」を呼び出せるようになる。
 怪獣と戦って、倒すことができたショウは、
 この日から秘密防衛組織「S.T.7」の一員として戦うヒーローになる。
 ■主な登場人物
 天間ショウ(14)剣道部所属の少年。中学校2年生、父親と2人暮らし。
  黄金の石を呼び覚ましたことで、七人の戦士の1人「ソードマスター」となる
 土神ミスズ(14)ショウの幼なじみの少女。同級生、中学校2年生。料理が得意
 天間薫(41)ショウの父親。工学博士。
  実は秘密組織S.T.7のメンバーで、技術顧問。
 ミナセ☆ハルカ(公称14)アキツ国のアイドル。人気急上昇中。
  歌って踊れて殺陣までこなす、体育会系歌姫
 黒マントの少女(16)七人の戦士の1人、「シャドウマスター」、S.T.Black
 氷室トオル(公称20)秘密組織S.T.7の冷静な作戦参謀。「DAMMY Silver」
 水瀬猛彦(52)秘密組織S.T.7長官。もとアキツ軍中将
 陣内為吉(72)ショウの祖父。ショウの剣の師範であり、アキツ剣道協会会長。
  実は秘密組織S.T.7のメンバーで「DAMMY Gold」

[起]
 祝日の朝。台所で1人で、自分用の朝食をつくっているショウ。
 背後にあるTVモニタに映っているのは、朝のアイドル番組。ミナセ☆ハルカのキンキン声が流れてくる。  ショウが、その番組を見ながら食事をしていると、父親の薫が仕事から帰って来る。

             ×   ×   ×
 同じ時間、同じ番組をバックに、自宅で鼻歌まじりにお弁当をつくる、ミスズ。

             ×   ×   ×
 薫の朝帰りはいつものことなので、ショウは、「おはよう」と挨拶だけして、家を出る。
 薫はそのままベッドにもぐりこんで、寝る。
 消し忘れのTVからむなしく響くアイドル声。
 しばらくして、薫の左手の腕時計がバイブレーション。黄色の光を放つ。
 眠そうにまぶたをあげる、薫。
「おねぼうさんの、ア・ナ・タ のために! 今日も元気に、ウェイクー、アーーーップ!」
 声にあわせて、TVにはハルカの顔アップ、決めポーズ。続いて、底抜けに明るい曲「ウェイク☆アップ!」を歌い出す、ハルカ。
 薫、目をこすって起きあがり、苦笑。TVの前に立ち、知り合いに話しかけるかのように、つぶやく。
「......おはよう、ハルカ君」
 ハルカの腕にも、薫と同じ腕時計が黄色の光を放っているが、TVの中の人々は、誰も気づいていない。
 薫、TVを消す。

             ×   ×   ×
 ハルカの歌「ウェイク☆アップ!」が、1話のオープニングテーマ。

             ×   ×   ×
[承]
 ショウ、剣道大会の応援のために国立競技場に来る。
 待ち合わせていたミスズと、会場の前で会う。
 しかしミスズはふくれっ面。てっきりショウが出場する大会だと思って、かっこいいところが見られるのを楽しみにしていたのに、大会に出場するのは部の先輩で、ショウは応援だけだというのだ。
 あてがはずれて、不機嫌。「だまされた!」と、文句を言う。
 夫婦漫才めいた2人のやりとりを見てからかう先輩たち。ますます機嫌を悪くするミスズ。
 ミスズの手弁当を一緒に食べることで仲直りしようとするが、
 ショウはそこでも不用意な発言をして、ミスズ、激怒する寸前。

             ×   ×   ×
 突如としてたちこめる暗雲。鳴り響くサイレン、避難勧告のアナウンス。
 ショウ、ミスズをはじめ、平和なアキツ国の住人たちには、何が起こっているのか分からない。人々が顔を見合わせて、動こうとしないでいると、雲を割って異形の怪獣が空からおりてくる。
 悲鳴をあげて逃げ出す人々。
 謎の紋章(S.T.7のマーク)をつけた、警察官みたいな人たち(S.T.7の平隊員)がどこからか現れて、人々を避難シェルターに誘導する。

             ×   ×   ×
 競技場地下の怪しい部屋で、「遂にこの時が来たか......」と話している、為吉師範と水瀬長官。
 地下格納庫に戦闘機型メカ「ゴールドブレイド」が格納されているが、まだ乗り手が見つかっていないため、布をかぶせてくくりつけられている。

             ×   ×   ×
 怪獣、競技場の屋根を踏み破って大暴れ。人々はほとんど避難したが、離れた丘の上にいたショウとミスズは、どちらに逃げてよいものかわからない。
 ショウはミスズを先輩たちに預け、競技場にいるはずの祖父(為吉師範)の様子を見に行こうと、走り出す。
 そのとき、不思議な声が聞こえる。
 「誰だ......俺を呼ぶのは?」
 Aパート終了、アイキャッチ。

             ×   ×   ×
 Bパート開始。
 ショウ、祖父の名を呼びながら、競技場の入り口を探しているうちに怪獣に見つかる。
 ショウ、落ちている竹刀を拾って構えるが、
「無理だっ!」
 怪獣の攻撃をかわしながら逃げ回っていると、また、不思議な声が聞こえる。
 声に従って、まだ破壊されていない部屋へと逃げ込むショウ。

             ×   ×   ×
 部屋の真ん中には、大会の優勝トロフィーが安置されている。
 そのトロフィーは金色に光り、声がする。
 ショウが手を伸ばすと、金色の光がトロフィーから分離し、透き通った石になる。
 ショウが石を掴むと、まばゆい光が部屋を包む。

             ×   ×   ×
 光は空を貫いて雲に穴を開ける。
 驚く近隣の街の人々、ひるむ怪獣。
 格納庫ではゴールドブレイドが輝きだし、布がはがれ、勝手に発進する。
 為吉師範と水瀬長官、驚く。

             ×   ×   ×
 競技場に近めの街で、渋滞に巻き込まれて動けないシャドウチェイサー(車型メカ、一般車に偽装している)。
 黒マントにサングラスの長身の少女、運転席側のドアを開けて車の横に立ち、競技場方面を見ている。
 金色の光と、戦闘機メカを見て、フッ、と不敵に笑い、つぶやく。
「やっと目覚めたの?S.T.Gold......ソードマスター」

             ×   ×   ×
[転]
 ゴールドブレイド、剣形態になり、怪獣に向かって突貫。怪獣の身体を貫く。
 近隣の街の人々、ショウ、「すごいぞ!」「やった!」と歓声をあげるが、怪獣の傷はすぐにふさがってしまう。
 怪獣の攻撃をかわし、戦闘機形態に戻り、ショウのもとに舞い降りるように着陸する、ゴールドブレイド。ショウを誘うように、扉がひらく。
「まさか......俺に、乗れっていうのか?」
 ショウ、一瞬ためらうが、怪獣の目がショウとゴールドブレイドを捉えたのに気づいて覚悟を決め、扉に飛び込む。
 前方中央にある操縦桿の先端に、台座状のくぼみがある。右手に握ったままだった石を台座にはめ込み、操縦桿を引くと、ゴールド、飛び上がる。

             ×   ×   ×
 ゴールドブレイドの操縦方法はなんとなく理解したものの、どうやったら攻撃できるのか、わからない。とにかく人のいない方へ、と、ショウは海側の運動場へ怪獣を誘い出す。
 そこへ、本部の作戦参謀のトオルから通信が入り、必殺技のコマンドを教えてもらう。なんとか技を繰り出し、心臓部のエネルギー核を貫き、怪獣を倒す。

             ×   ×   ×
[結]
 ゴールドブレイドから降り、崩れた競技場を見つめて、「じいちゃん......」と呟くショウ。ちょうどそのとき、為吉師範と水瀬長官が秘密の出口から脱出してくる。無事を喜ぶショウ。
 しかし、
「そうか、ゴールドはおまえを選んだか......」
 と言う師範に、ショウ、
「じいちゃんは知ってるのか!?このメカのこと、石のこと、怪獣のこと......」
 と、くってかかる。
 長官、師範、顔を見合わせ、頷く。長官、ショウを見て。
「よろしい、基地に来たまえ。ソードマスター」
 2話に続く。
 エンディング。

プロットとシノプシス

 プロットと概要(、梗概、シノプシス)という言葉については、
 映像、小説、その他もろもろ、ジャンルによって、または人によって
 違うフォーマットのことを言っている為に混乱を招いていますが、おおよそ
 プロットが「話の内容、構造、流れをまとめたもの」で
 シノプシスが「プロットより短いあらすじ」だと思っておけばいいみたいです。
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