CLIP STUDIO ACTIONとQUMARION連携(静止編)
2012.09.02 05:12:54 , Posted
2013.05.24 22:18:27 , Update by Gyokuei
人型入力デバイスQUMARION その5
QUMARIONを買った~わくわく開封編
QUMARIONを買った~どきどき接続編
CLIP STUDIO PAINT PROとQUMARION連携
QUMARIONと連携していないPOSE STUDIOの話 の続きです。
※記事を書いた時点での各ソフトのバージョンは、
CLIP STUDIO PAINT PRO 1.0.4 RC
CLIP STUDIO ACTION 0.9.1
CLIP STUDIO COORDINATE 0.9.1
POSE STUDIO 1.0.4
となっています。今後、ソフトの改良・仕様変更により、記事の内容と異なる動作になる可能性があります。
この記事ではCLIP STUDIO ACTION
(とPOSE STUDIO・CLIP STUDIO PAINT PRO)の話をします。
といってもCLIP STUDIO ACTIONのおそらくメイン機能であるところの
モーションについては次回以降としまして
今回は静止画のみです。
CLIP STUDIO ACTIONとQUMARIONでポーズ作成
2012年9月1日現在、POSE STUDIO用のポーズデータ(.pep)を
QUMARIONを使って作成しようと思ったら、
CLIP STUDIO ACTIONが唯一の選択肢になります。
(POSE STUDIOはQUMARION非対応、
CLIP STUDIO PAINT PROで作成したポーズは
素材パレットに登録はできますが、pepとして書き出すことができません)
まずソフトを起動する前にQUMARIONを接続しておきましょう。
どのソフトの場合もそうですが、QUMARIONはソフトを起動する前に接続し、
ソフト起動中は抜き差ししない、が基本のようです。
CLIP STUDIO ACTIONを起動します。
POSE STUDIOとちょっと似た感じの画面です。
ポーズライブラリパレットがなくて、かわりにタイムラインビューがある感じですか。
今回は動画作成が目的ではないので、タイムラインビューを小さくしておきました。
女の子キャラクターモデルがいますが、
今回の目的は、
POSE STUDIO上でデフォルトの男性デッサン人形で見るための
ポーズデータを作るのが目的ですので
ご退場願います。
(ポーズを作成したモデルと違うモデルにポーズを適用すると、パーツの太さや長さの違いによって変な隙間ができてしまったりしますので)
「ファイル」→「モデルを削除」
ダイアログ「選択されたモデルを削除します。よろしいですか?」→「OK」
消えました。
男性デッサン人形のモデルを追加します。
「ファイル」→「素材フォルダーを開く」をクリックすると
エクスプローラでフォルダを開きます。
※作成したc2frなどを読み込みたいときなど、素材フォルダー以外にある場合
「ファイル」→「モデルを追加」でダイアログから選ぶこともできます
素材フォルダにある「3DCharacter」フォルダの「clip_he.c2fr」を中央の「ステージビュー」にドラッグして読み込みます。
※この段階でCLIP STUDIO ACTIONプロジェクトファイルを「保存」して
「デフォルト.capj」とでもしておくと、次からは
プロジェクトファイルのダブルクリックで起動すれば
モデルの入れ替え作業が必要なくなるのでおすすめ
さて。なんか白いですが、これは「ライティング」が設定されてないせいです。
「シーン」→「ライティング」
男性デッサン人形モデルの用意ができました。
既存のポーズをとらせたい場合は、ここでpepファイルをドラッグするなどすればOK
次に、QUMARION連携をします。
「QUMARION」→「接続」→「QUMARION01」
複数のQUMARIONを繋いだ場合は02とか03とか選べばいいみたいですね
私は1台しか持っていないので01だけです。
接続、即、反映。
モデルが小さくてみづらーい。
そんなときはカメラワークを調整します。
基本的にこのへんPOSE STUDIOと同じ操作です。
●カメラの前後移動:右クリック+ドラッグ
マウスで
ステージビューのモデル以外の何もないとこを右クリックしたまま下または右にドラッグすると......
カメラがズームインして人物が大きくなります。
逆に右クリック+上または左にドラッグするとズームアウトします。
●カメラの平行移動:マウスホイール+ドラッグ
足元が切れてるのでモデルを上とかに移動したい。
こんなときは
マウスホイールを押したまま上下左右にドラッグします。
カメラ位置が平行移動します。
横に移動させましたね
デフォルトでも背後側、側面からのアングルが表示されていますが
「カメラ」→「右へ90°回転」「左へ90°回転」で正確に回転させて見る事もできます。
●カメラの角度変更:左クリック+ドラッグ
微妙に違うアングルが見たいときは
左クリック&ドラッグでカメラ角度が変更できます。
カメラワークに関する機能は、他にも
・カメラアングルのリセット
・編集対象を注視(選択したパーツまたは全身が画面中央に来るようにカメラを移動する)
等があります。
......長くなりました。このへんの操作はPOSE STUDIOでもほぼ同様のことができます。
さてQUMARIONの話に戻りましょう。
CLIP STUDIO PAINT PROの今の仕様では、
「QUMARIONとの接続」ボタンをマウスクリックした時点で
ポーズか確定するんですが、
たとえばこういうアクロバティックなポーズのとき......
地面からの傾きが重要だから両手で支えたいのに、マウスとか持てないよ!
と思っていたら、
CLIP STUDIO ACTIONでは
背中のボタンで接続を切る(=ポーズ確定する)
ことができるんです。
これを押す。
接続再開もこのボタンでOK。
このためのボタンだったのか。
たしかにこっちのが便利なので、CLIP STUDIO PAINT PROでもそのうちこうなりますかね
あらぶるQUMARION
QUMARIONの接続を切ってから、ポーズの微調整をします。
QUMARIONには、手のポーズをつける機能はいまのところありません。
デフォルトは軽く小指から曲げたようなポーズで、
グーとパーの手が付属していて、差し替えることが出来ますが
「ハンドセットアップ」機能が使いやすいのでソフトで修正しましょう。
↓ 記事はまだ続きます。
ハンドセットアップ機能
ハンドセットアップパレットとはこれです。デフォルトでは一番左にあるやつ。
これはCLIP STUDIO ACTIONのものですが、
POSE STUDIO、CLIP STUDIO PAINT PROにも同様の機能があり、
操作法はどのソフトもほぼ同じです。
POSE STUDIOのハンドセットアップ
CLIP STUDIO PAINT PROのハンドセットアップは、
デフォルトでは表示されてないのですが、
3Dデッサン人形かキャラクターモデルの編集中に
ツールプロパティの右下の設定をクリックしてサブツール詳細パレットを表示
「ポーズ」をクリックすると出てきます。
CLIP STUDIO PAINT PROのハンドセットアップには
いまのところ「クローズアップ編集」がないようですね。
ハンドセットアップは、手のポーズを編集する機能です。
中央のステージビュー上のモデルの、
左側のパーツを選択している場合は左手
右側のパーツを選択している場合は右手
中央のパーツを選択している場合は両手(を同時に)
のポーズを編集します。
右腕をクリックして選択しました。
この状態でハンドセットアップをほげほげすると右手のポーズを編集できる訳です。
一番下の2つのアイコンは
「左手のクローズアップ編集」
「右手のクローズアップ編集」
ボタンです。
それぞれ、クリックすると片方の手が拡大表示され、他のパーツが編集できなくなります。
「右手のクローズアップ編集」をクリック
アップで表示されました。
クローズアップ編集時にカメラの角度を変えても
クローズアップ解除したときの全身のカメラアングルには反映されませんので
見やすい角度で見ながら編集できます。
ハンドセットアップの三角形の、
縦軸はどれくらい握るか(上:開く、下:握る)
横軸はどれくらい開くか(左:閉じる、右:開く)
を表します。
三角形の下の角にあたる握り方は4種類から選ぶ事ができます。
十字カーソルを三角形の辺の途中や中にもっていったらその中間の形状になります。
つまりこういうことです。
一番上の鎖みたいなアイコンは「指のロック」です。
ロックした指はハンドセットアップをごにょごにょしても動きません。
たとえばピースサインの手を作りたい場合、まず全開にしておいて......、
人差し指と中指をロック、握り方の左のボタンをクリックすれば
ロックされなかった親指、薬指、小指が握られます。
こんなかんじに簡単にできます。
ハンドセットアップで大まかな形を作ってから、
ステージビュー上にクローズアップされた手を直接編集することも
もちろんできます。
こんなかんじでいいかな?
手の編集が終わったら「クローズアップ編集」ボタンをクリックして解除して
次は全身のポーズの微調整をしましょう。
全身ポーズの調整
CLIP STUDIO ACTIONでポーズを編集するには、
「移動」「回転」「アニメーションコントローラー」等の方法があります。
「移動」は、部位をつかんで引っ張ります。
すると、「自動姿勢制御」機能により、引っ張ったのは一つの部位でも、他の部位も連動して動きます。
ひとまとまりの部位だけ動かしたい場合は、「関節を固定」すれば一部だけ動かすことができます。
「回転」は、選択した部位自体をねじったり、特定の関節を支点にしてその先の部位の向きを変えたりできます。
細かい調整が可能です。
CLIP STUDIO ACTION(POSE STUDIO、CLIP STUDIO PAINT PROも)の「標準ボーン」が設定されたモデルでは、
「関節角度制限」が設定されており、人間として変な角度に腕が曲がったりすることのないようになっています。
(これは、「シーン」→「関節角度制限」でオフにすることもできます)
「移動」「回転」はPOSE STUDIOやCLIP STUDIO PAINT PROにもある機能ですが、
「アニメーションコントローラー」はいまのところ
CLIP STUDIO ACTION独自の機能かと思います。
「目線」「腰」「右手」「左手」など
いくつかの部位の連なったひとかたまりの範囲を
直感的に動かすことができます。
アニメ制作では超重宝する機能かと思います。
●「移動ツール」による編集
たとえば左手をクリック&ドラッグで前方に移動してみると......
こんなかんじで身体全体が連動して引っ張られます。
たとえば左腕だけを編集したい、といった場合は、
肩を右クリックして「関節を固定」すれば、腕だけ編集することができます。
固定した関節のこちらがわを動かすと、逆側は固定される、というイメージです。
ただし、腰などは複数のボーンのつけねになっているので、
固定したつもりが動いてしまう、ということがよくあったりします。
そういう場合は、骨マークをクリックしてボーンを表示し
肉体のラインでなく、ボーンを右クリックして固定してみるとうまくいきます。
関節の固定を解除するには部位をもう一度右クリックすればOK
モデルの外の何もないところを右クリックすればすべての固定をいっぺんに解除できます。
●回転
特定パーツを回転します。
「ねじりツール」アイコンをクリックして
左クリック+ドラッグで操作してもよいのですが、いちいち切り替えなくても、
他のツールを選択中にマウスホイールをぐりぐりしても
同じ操作ができます。
たとえば左上腕をクリックして選択した状態で、
マウスホイールを回転させると
こんな風に回転します。
関節角度制限があるのでこれ以上は動かせません。
胸パーツの場合は
胸より上の部位がくっついたまま全部いっしょに回転します。
[Shift]キーを押しながらマウスホイールをぐりぐりすると
ポーズ全体が回転するのですが
脚のつけねを固定していたので、固定した関節を中心にひねるように回転した、という例。
関節の固定がなければこうなります。
●マニピュレータを使った回転
肩を支点にして上腕を回転させたい、といった場合は、
腕の周りに出ている「マニピュレータ」の
コントローラのリングを掴んでドラッグします。
表示されていなければマニピュレータの表示・非表示ボタンをクリック
(POSE STUDIOにもあるよ)
足元の緑の丸を掴んでドラッグでモデル全体の水平回転
赤・青の矢印ドラッグで立ち位置を移動できます。
POSE STUDIOでは垂直方向の回転もできるのですが
CLIP STUDIO ACTIONではQUMARIONを使う以外で縦回転する方法がわかりませんね......
(上方向の矢印は出てます)
↑腰パーツを選択して回転すればいいみたい
●アニメーションコントローラーを使う
アニメーションコントローラーとは
この●です。
この●は目線、腰、右手、右足......等を表すものです。
●をクリックして選択すると、部位を選択した時のようにコントローラが表示され、
移動や回転ができますが、
1つのボーンではなくいくつかの特定範囲の部位が連動して動きます。
関節角度制限が無効になるので変なポーズになることもありますが
直感的に動きがつけられます。
たとえば目線だけ動かしたい場合、●をドラッグして動かしただけで......
こんなだったり
腰だけ動かしたり
とかこんなことができます。すげえ。
他にもポーズに関する機能は
・初期ポーズに戻す(読み込んだときの状態に戻す)
・接地
・ポーズのコピー、ペースト
・左右反転
等あります。
ポーズが完成したら、
POSE STUDIOで使うためのポーズデータを保存します。
「ファイル」→「ポーズを書き出し」
.pepファイルが保存されます。適当な名前をつけておきましょう。
POSE STUDIOに
公式の素材サイト「CLIP」からダウンロードしたpepとかを読み込むには普通
「ファイル」→「ポーズのインポート」から読み込むのですが......
2012年9月1日現在、なぜかCLIP STUDIO ACTIONで保存したpepは
この方法では読み込めません。
公式サイトを見たところ、どうやら仕様のようです。
ワークエリアにpepファイルをドラッグする方法なら、
ポーズはちゃんと反映されますので
あとは角度と位置を調整するなりなんなりして
POSE STUDIOの機能でポーズを保存し、
キャプションとタグをつけておきましょう。
いやぁ
CLIP STUDIO ACTIONにポーズライブラリが欲しいですよね、コレ......?
こういう使い方をする人がどれくらいいるかにもよりますけど
※2013.05.04追記
最新版(CLIP STUDIO ACTION 1.0.2)では、ポーズをCLIP STUDIOの素材として登録できるようになっており、ほぼPOSE STUDIOのライブラリと同様のことができるようになっています。
ただし、POSE STUDIOのライブラリをCLIP STUDIOに移行する機能はまだ無いので、これまで登録したポーズをCLIP STUDIO ACTIONで使おうと思ったら、POSE STUDIOからひとつずつ.pepを書き出してACTIONで読み込みなおす必要があります。
私はアップデートではそこらへんを希望しますね......
あと、POSE STUDIOにはあるパーススライダーのようなのが、まだ無いようなのですけれども
要望出しておいたほうがいいのかなぁ
またまた長くなったので、
CLIP STUDIO COORDINATEの話は次回へ......
このページを読み返す
コメントする