万年筆沼の入口にいる - 1.格安万年筆といえば、まずはプレピーから

格安万年筆プレピーのおすすめポイントとバリエーションとメンテナンスの話




この記事は、0.そういえば1本持っていた。 の続きです。



1.格安万年筆といえば、まずはプレピーから

万年筆に興味はあるが、まだ1本も持っていない。
いきなり何千円とか何万円とかする高額商品に手を出したくない。
という万年筆初心者にまずおすすめしたいのが、プラチナのプレピー万年筆です。

プレピー | プラチナ万年筆
なにしろたった¥330(税込・2021/07/27現在・02極細とクリスタルは¥440)
で万年筆ってこんな感じなのか~のお試しができます。

ブラックの03がコンビニの文具コーナーに置いてあるのも見たことありますし、
文具屋ではゲルインクボールペンとかのそばに置いてあったり、
格安万年筆の中でも特に手に取りやすい場所に居ることが多いやつです。

通販では、単価が安すぎて1本ずつ売ってくれなかったり送料が高かったりする場合が多いので、
ヨドバシ通販を使うのがおすすめです。
プラチナ万年筆 PLATINUM PEN PSQ-300#1-2 [プレピー万年筆 細字 ブラック] (ヨドバシ.com)



まず基本的な使い方から

プレピーは(というか万年筆だいたいそうだと思いますが)、買ったままの状態ですぐには書けません。
ペン先にインクを入れっぱなしにすると詰まって書けなくなるため、
カートリッジは挿さない状態で売られているのです。
なのでまずはカートリッジを首軸に挿します。

キャップを外し......

本体から首軸を外して、カートリッジを取り出し......
首軸にカートリッジを挿す
カートリッジを挿したら、インクがペン先に浸透するまでしばらく待ちます。
ここで焦って、書けないからといってペン先をぎゅっとやるとペン先が曲がってしまいます。
筆圧はかけない。

しばらく待ってもペン先までインクがこなければ、まずカートリッジの挿し直しをします。(インク漏れに注意)
それでダメなら、ペン先をティッシュで軽く覆ってから、
カートリッジの真ん中へんをぎゅっと押します。
(プラチナのカートリッジは押せます。呉竹のからっぽペンカートリッジは硬くてほとんど押せない。)
または、ペン先を下にして上下に振ります。

ピンクの本体軸でなく、手持ちの透明の本体軸と組み合わせてみた。インクの色と残量が良く見える。

インクが出たら試し書きをします。

※現物はもっと鮮やかなピンク

OK、書けました。
キャップはしっかり閉めておきましょう。



......と、ここまででなんかインクの出が悪いな~という人、残念ながらハズレ個体の可能性もあります。
私がこれまで11本買ったうち、まったく書けないものは1本もなかったですが、
インクの出が渋い(100点満点で70点ぐらいかな~っていうレベル)ペン先2本、
首軸がなんかおかしいの1本
(カートリッジ挿してもカートリッジ押さないと首軸にまったくインクがこない・
ペン先を差し替えようとしても固くて抜けない・差し替えてもインクの出が渋い)、
蛍光ペン・マーキングペン含めて20本ぐらいのうちキャップの閉まりが悪い+キャップすぐ壊れたが3個ぐらい
遭遇しました。(私が入手してから落とした・長く使った・非推奨のインクを入れたものは除く)
初期不良なのか、店頭で触られたり落とされたのか、物流業者の雑な扱いによるのかはわかりませんが、
¥330格安! がウリではあるものの、ハズレだったらもう1本買って1番いいのを使う、くらいの気持ちを
持った方がいいかもという気もします。
どうしても自分で改善してみたい、という人は「インクフロー 改善」などで検索してみましょう。
(※プレピーに付属してるもの以外のインクを使った場合は、ペンとインクの相性問題の可能性もあります)

※製造日が新しいものほどハズレ率が低くなっている(改善されている)という情報もあります。

プレピーの使い勝手、アタリ個体であれば充分万年筆「らしさ」はあるものの、
やはり他の万年筆に比べれば書き味は劣ります。
よく書ける角度がシビアだったり、ペンが柔らかすぎる? 感じがあったり
「万年筆ってこんな感じか~」とは思っていただきたいが、
「万年筆なんて所詮こんなもんか」と思っていただいては困る感じというか
興味を持たれたら万年筆コーナーに行ってもうちょっとお値段するのの試し書きをしてほしい、
そのための導入という位置づけの商品ですね。



↓ 記事はまだ続きます。
プレピーのよいところとしては、乾燥を防ぐためのプラチナの独自技術
キャップの「スリップシール機構」っていうのがあるんですが、
公式ページでの解説↓
スリップシール | プラチナ万年筆


この「スリップシール機構」はプレピーにも採用されています。
1年経ってもインクが乾かない(公称)とされています。
これ本当に優秀で、
PILOTのカクノや色彩逢いでは時間経過で顕著にインクが濃くなっていくのがわかるのですが
プレピーに同じインクを入れて使っていた時には、そういう感じはありませんでした。
(もっとも、万年筆インクには「色変化を楽しむ」という楽しみ方もあるので、必ずしも
 全く乾燥しないものが良い万年筆、というわけではありません)



プレピーはバリエーションが豊富であるという話。
プレピー万年筆は02(EF相当、極細)、03(E相当、細字)、05(M相当、中字)と、
ペンの太さが3種類あります。
キャップの頭とペンに02,03,05と書いてある

またインクもブラック、ブルーブラック、レッド、ピンク、バイオレット、イエロー、グリーン、
ライトブルー、ブラウン、
と9色あり、03ではライトブルーとブラウン以外の7色に対応した軸色のものが売られています。
万年筆用水性染料インク | プラチナ万年筆

どの太さを買えばいいかですが、とりあえず03がお勧めです。
小さめの手帳に細かく書き込みたい......とか、細線で絵を描きたい......とか
そういう用途であれば02もいいかもしれません。
05は中字と公称されていますがカクノや色彩雫のMに比べても太めの印象で、
ペン習字で大きめのマスに文字を書きたい、などの用途ならばお勧めします。
私は02と05も1本ずつ持っていますが、05で薄い色のインクをたまに使うくらいで、
ほとんどの場合03を使っています。

02,05では現行商品は黒、赤、青しかありません。
03にあるけど02,05にない色の軸を使おうと思ったら?
そのときはペン先だけ抜いて入れ替えることができます。

わりと簡単に抜ける(※ペン先を歪めないよう注意 ※自己責任で)

プレピーの本体軸のバリエーションは色だけではなく、
プレピーは安価な商品であることを活かして、コラボ限定柄商品をわりと頻繁に出しています。
かわいい柄の筆記具が欲しい~という方などにも軽率に手を出していただきたいところです。

SOU・SOUコラボ
万年筆 - SOU・SOU netshop
KOKUYOコラボ
プレピー<PERPANEP>細字 (コクヨの公式 ONLINE SHOP)
TSUTAYAコラボ



さらに、プレピーは万年筆だけではありません。
マーキングペン(サインペン)と蛍光ペンのラインナップもあります。

万年筆、マーキングペン、蛍光ペンの違いは外装のデザインとインク色とペン先だけで
マーキングペン・蛍光ペンは交換用のペン先パーツも売られており、
相互に差し替えての簡易改造が可能です。

更に私はマーキングペンにコピックスーパーブラシニブのパーツをかぶせて
フェルト筆ペンに改造して使っています。(※これは自己責任でよろしくおねがいします。)
らくがき塗る用水性ペンを筆ペンにしたら色が合わなかったので、からっぽペンで作ってみた話

更に、コンバータや空カートリッジにインクを詰め替えれば
他メーカーの万年筆インクを使う事も、万年筆に適していないインクも
サインペン・ラインマーカー(・筆ペン)として使う事が可能になります。



プレピー+コンバーターはおすすめしない話。

インクはカートリッジタイプのものを使うのがお手軽ですが、カートリッジは各社毎に形状が異なります。
他社のインクを入れたい場合は瓶入りの(ボトル)インクを買って、
カートリッジのかわりに、別売りのコンバーターという部品を使って入れることになるのですが、

万年筆用コンバーター | プラチナ万年筆
プラチナ万年筆 万年筆用 コンバーター ゴールド 800A#0 (Amazon)
プラチナ万年筆 PLATINUM PEN -800A 0 4876000 コンバーター (ヨドバシ.com)

インクの消費量が多い場合も、瓶インクを買った方がお得なのですが、

プレピーにコンバーターはおすすめしません。
空カートリッジか、呉竹のからっぽペンカートリッジを使ったほうがいいです。

私がプレピーに手を出した目的は、クリア万年筆に色インクを入れてみたかったからなので、
最初のプレピーは
クリスタルの03を、プラチナじゃないメーカーのインクと一緒に買ったわけですが、
プレピーのコーナーにコンバーターが見当たらなかったので
万年筆コーナーの店員さんに訊いたところ
「おすすめできませんねぇ......」
と言われました。何故か。

コンバーターを使ってインクを入れる方法、FACEBOOKの公式動画
プラチナ万年筆 - コンバーターの使い方のコツ

コンバーターでインクを入れる(吸入という言い方をします)場合、
ペン先をどっぷり瓶に漬ける必要があるのですが、
プレピーの場合、他の万年筆よりも深く沈める必要があるうえ
首軸まわりの形状がコンバーターを使うことを考えた設計になっておらず、
隙間が深くてインクが入り込んで面倒なことになります。
(インクが垂れてくる・拭きづらい・インクの無駄が多くなる)

なお手持ちの他の万年筆の形状はどうなっているかというと、こんなかんじ
おおむねペン先と首軸の境は真っ平らに埋まっています。カクノは逆に持ち上がっている。
プロフィットJrは少し隙間がありますが、
セーラーは首まで漬けなくても、ペン先の穴まで漬かればいいらしい。

「どうしてもコンバーター使いたいなら、シリンジ(注射器)で入れたほうがいいですよ」
とも店員さんは言った。ほんとそれ。
で、シリンジでいれるならコンバーターじゃなくても、
空きカートリッジでも手間はかわらない......というわけ。

ただ、プレピー(プラチナの万年筆)を初めて買う人は空きカートリッジ持ってないですよね。
まず1本使い切る必要がある。
使い切っても、プラチナのカートリッジは白っぽい半透明で、入れたインクの色が鮮明に見えない。
私が買った当時はそれもあって、シリンジで入れるにしてもコンバーター買った方が良いかなー、
だったのですが

今ならコレがあります。
呉竹のからっぽペンの空カートリッジ
からっぽカートリッジ セット (ECF160-699) – 呉竹公式オンラインショップ
呉竹 Kuretake ECF160-699 [からっぽぺんカートリッジ5本入りセット] (ヨドバシ.com)

これは呉竹が出している、好きな色のサインペンや筆ペンがつくれる「からっぽペン」用のカートリッジ
なのですが、
プラチナのカートリッジとほぼ同口径で、プレピーにしっかり装着できます。
こちらなら(模様がついてますが)透明でインク色がよく見えます。
プレピーに他社インク等を入れるならこれが一押しです。
(※メーカーが推奨しているわけではないので、自己責任でよろしくおねがいします。)



お手入れの話。
プラチナの出しているお手入れグッズはこれです。

万年筆インククリーナーキット
万年筆用インククリーナーキット | プラチナ万年筆
プラチナ万年筆 万年筆インククリーナーキット ICL-1200#0 (Amazon)
プラチナ万年筆 PLATINUM PEN ICL-12004710000 [インククリーナーセット] (ヨドバシ.com)

こちらはお手入れ用のスポイトと洗浄液5袋のセットとなっています。
スポイトはプラチナのカートリッジ・コンバータと同口径で、
先述のセーラー万年筆用シリンジと同様、首軸に挿して水を出し入れして洗浄します。
通常のインク(染料インク)ならこれでこまめに洗えば大体汚れは落ちるのですが


プラチナ万年筆にはカーボンインク(顔料インク)という製品があります。(※セーラー等にもある。)
カーボンインク 万年筆用水性顔料インク | プラチナ万年筆 (ボトル)
カーボンインク 万年筆用水性顔料インク | プラチナ万年筆 (カートリッジ)


※写真ではカートリッジ3本写ってますが、4本入りで売ってたものです

プラチナ 万年筆用カーボンインク(水性顔料)ブラックINKC-1500 (Amazon)
プラチナ万年筆 PLATINUM PEN INKC-1500 [カーボンインク 水性顔料インク 60cc] (ヨドバシ.com)

プラチナ万年筆 PLATINUM PEN SPC-200#1 カーボンインク 黒 (ヨドバシ.com)


顔料インクは通常のインク(染料インク)よりも濃い印象の線が描けます。(※書く用紙にもよる。)
また、乾燥すると水に流れにくく、耐光性にも優れています。
なので絵を描く場合などにとても便利なのですが、
粒子サイズが染料よりデカい、乾燥しやすいという特性から
インクが固まりやすいというデメリットがあります。
プレピーにはスリップシール機構があるので、他メーカーの万年筆に入れるよりは
乾きにくいのですが、それでもマメな手入れが必要になります。

プラチナのインククリーナーキットの洗浄液を使えば
顔料インクでも溶かして落としてくれます。
顔料インクを使いたいなら絶対に買っておいたほうがいいです。
染料インクの頑固なヤツも水に漬けるよりよく溶けるので、固まって書けなくなったら
これを買って漬けてみるのがお勧めです。

洗浄液の成分は強アルカリ性らしいのでくれぐれも目に入らないように注意
(うっかり入ったら充分な水で洗い流す)

この洗浄液、プラチナ万年筆専用ということになっていますが、
他メーカーの万年筆に使ってもおおむね問題はなさそうです。
(※自己責任でよろしくおねがいします。)

プラチナ公式の万年筆お手入れについてのページはこちら
長くお使い頂くために | プラチナ万年筆
文具屋の人による紹介ページ
プラチナ 万年筆インククリーナーセット新発売! スミ利文具店


この洗浄液以外にも、ロットリングの洗浄液とかアルカリ電解水とか重曹とかクエン酸とかを使って
万年筆お手入れしてる方も見受けられますが
成分によっては逆に固まったりペン先を傷めますので、よく調べた上で自己責任で使いましょう。


ここまでのまとめ
・プレピーむっちゃ安い。
・プレピー種類多い。改造もできる。
・プレピーに瓶インク入れるならコンバータより空カートリッジ使うのがおすすめ。呉竹のがいいよ。
・頑張って長く使いたい人はスポイトも買ったほうがいいかも
・顔料インク使いたい人は洗浄液も買った方がいいよ


次の記事 >> 2.kakunoの評判がいい につづく


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