アニメ制作工程の概要

標準化とクリティカルパスの話

企画立案編 第 8 話

「アニメ制作工程の概要」
私立晶嵐学園あにめ部 もくじ 
キャラ説明
カート
カート
「ナナハは、去年は漫研にいたんでしょ。マンガは描いたことあるんだよね?
どんなかんじで作った?いきなり原稿用紙に下書き?」

ナナハ
ナナハ
「んーとね、キャラクター設定表をつくってから、劇の脚本みたいなのを書いて、それからノートに下書きして、それ見ながらA4→B5の同人用漫画原稿用紙に......」

カート
カート
「ちゃんと手順を追って作ったんだね。よかった、少し説明しやすくなった(^ ^;;;)
アニメ制作に必要な作業は、大雑把にいってこんなかんじ」





カート
カート
「自主制作アニメでこの手順どおりに進める必要は、必ずしも無いんだけどね。
人を集めて、分業で作品制作するなら、この流れを踏まえて作った方がいいね。
で、制作をはじめるまえに、必ず考えておかなきゃいけないことが2点ある。」

カート
カート
「1つは、「標準化」ということ。
複数人で別々に作業しておいて、最後に一定の品質のものを作るためには絶対に必要なことだ。作業のひとくぎり毎に、アウトプットをきめておく。
途中の作業経過は、個々人でばらばらでかまわないけど、提出用のもののかたちは揃える。」

ナナハ
ナナハ
「何を言ってるのか、わかんないです」

カート
カート
「具体的に説明するよ。

たとえば、文芸の場合。アニメのTVシリーズ1期ぶんの、30分×13本のシナリオを、何人かで分担して書くとする。
  • 提出用の原稿では、マス目のついた原稿用紙もしくは1行40字に設定して執筆する
  • タイトル、人物紹介、あらすじ、本編の順に書く
  • 本編中、セリフは、人物名「セリフ」 のように書く。
  • 本編中、地の文は、セリフから一行あけて、頭を4文字分字下げして書く。
  • 枚数は原稿用紙換算xx枚程度にする。
とか、そんなふうに書式を決める。
それから、
  • キャラクターの一人称二人称語尾口調、性格、経歴等を設定しておく。

動画の場合は、
  • 撮影フレーム(画面の範囲)を640×480ピクセルの大きさとする
  • その2倍のサイズ(フレーム1280×960、画面外も含めると1600×1200ピクセルぐらい)で作画する
  • カラーモードはRGB
  • 線は二値化する
  • 主線は黒、ハイライト指定は赤、一段影を青、二段影を緑、三段影を茶色で描く
  • 提出はpsdを推奨。またはpng、bmpのいずれかの形式で提出
  • 秒間24フレームを想定して描く。必要ならタイムカードを添える。
というかんじかな
そして、事前にキャラクター設定画を起こして、
  • キャラクターの顔かたち・頭身などのデザイン、絵柄、どういう表情をするか
とか決めとくわけね。

これらは、ただ「プロがこうやってるらしいから」とか「慣例だから」とかで漠然と決めるんじゃなくて、
最終的にどういうものを作りたいのかを決めてから逆算して、
なぜ、どういう規格が必要なのか検討しようね。
自主制作の場合、スタッフがそれぞれ、持っているソフトや機材がまちまちであることも考慮にいれないとね。
そして、実制作の前に、標準化のための作業を入れる。キャラデザとか、設定に関する打ち合わせとかね」

ナナハ
ナナハ
「そっかー、キャラ設定って、設定マニアが趣味でつくるもんじゃなかったんだねー」

カート
カート
「まあ、1本作ってみれば、事前の標準化作業の重要度がイヤでもわかるよ(^ ^)」

カート
カート
「で、もう1点は、「クリティカルパス」ということ」」

ナナハ
ナナハ
「クリティカルヒット?」

カート
カート
「まあ、その critical だけどね。日本語では最長経路とか臨界経路とかいわれる。
作業工程の中で、前の工程が終わらないと次の工程にすすめない場合ってのがあるよね。
たとえば、原画作業がおわらないと動画作業できない。動画があがらないと彩色できない。とか、そういうの。
そういう、これが終わらなきゃ次のひとが作業できない、って作業を、制作開始から終了までの流れで全部ピックアップして、
つないで見てみると、制作全体の所要時間が計算できるわけだ。
さっきの表を時系列順にすると、こうなるね」





ナナハ
ナナハ
「うーん」

カート
カート
「クリティカルパス上にある作業は、最優先であげていかなきゃならない。ぎゃくに、クリティカルパス上にない作業は、多少遅れても進捗に影響が出ない。
たとえば作画のひとの人数がいくら増えても、ナナハのキャラデザ作業が遅れてたら作画できないでしょ。これは、クリティカルパス上の作業だから。でも、キャラデザの遅れと、音楽制作とだと、直接関係しないわけ。」

ナナハ
ナナハ
「ああ、そういうことかー」

カート
カート
「ちなみに......転じて、その作業がとまると全部の作業が止まっちゃう、プロジェクトのリスク要因のことも、クリティカルパスって言うよ。どっちにしろ、クリティカルパスは、さっさと片付けましょー」

ナナハ
ナナハ
「はーい」

カート
カート
「ま、今はまだ、クリティカルパスとか以前の段階だけどね......。」

次の第9話が、企画立案編最終回になります。
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