イラスト参考書レビュー【0】はじめに

イラスト系howto本のレビュー記事を書くにあたって、前置きともくじ

イラスト等、絵描き系howto本のレビュー記事です。
本だけでなくサイトの紹介もあります。


以下、予定している項目

イラスト参考書レビュー【1】絵の描き方の基本

イラスト参考書レビュー【2】人体の描き方

イラスト参考書レビュー【3】キャラクターの描き方

イラスト参考書レビュー【4】小物の描き方

イラスト参考書レビュー【5】背景の描き方

イラスト参考書レビュー【6】漫画技法

イラスト参考書レビュー【7】構図・色彩

イラスト参考書レビュー【8】パース本

イラスト参考書レビュー【9】ソフトの使い方



以下は、この一連のレビュー記事の趣旨についてというか蛇足です。
↓ 記事はまだ続きます。

まず、私の場合の話

芸術系の学校を出たわけでは無く、絵に関する専門的な知識を学校で教わった記憶もありません。
アニメ・マンガ・ゲーム・ラノベが好きで、ファンアートというか真似描きをしていたのが絵を描き始めたきっかけです。
その後版権物のデジタル彩色の仕事をしていましたが、それもやりかたを教わったわけではなく、見よう見まねでやっていました。(ツールの使い方レベルでの解析はできたので。)

手先があるていど器用な人は、美術の知識がまったく無くても、
既存の絵の真似描きのみで
素人には上手だと褒められる程度のレベルには到達できると思います。
しかし、オリジナルの絵を描こうとすると、必ず壁にぶちあたります。


人体の構造を理解していない。
影をつけるとは、主線を塗り分けた中に適当に線を引いて塗りつぶす事だと思っている。
立体感を意識、という言葉の意味がわからない。
パース?なにそれ?
世界には線など無い、といわれても何を言われているのかわからない。
美術系の友人にデッサンをやれ、といわれるが、何をどうやったらいいのか見当がつかない。
そもそも、立方体や球などの基本の立体すら正しく描けない。


これらは絵を描くにあたって根本的な欠点になりますが、
私に限らず、
真似描きからはじめて、自分がある程度描けているつもりでいる人は、
自分の美術の知識がほとんど0であってもそのことに気づかないことが
割とあるようです。
(そもそも、上記の「根本的な欠点」は項目が重複しているのですが、別々の問題だと思っている)

数年前の私がそういう状態でした。
人の線画の彩色する仕事であったり、ファンアートならばそこそこ描けるが、
オリジナル絵ではPBW絵師にも登録してもらえないレベルであったのですが

howto本を買いあさり、本文中にある作例をすべて模写していく、という方法で
今ではとりあえず自分の絵で収入をもらえるレベルになっています。




この記事を読んでいる貴方がまだ学生であったり、
本気で絵を仕事にしたいのであれば、
デッサン教室などに通って、きちんとした先生の指導を受ける事をおすすめします。

そうではなく、
趣味として絵を描きたい、
同人誌の売り上げを伸ばしたい、
pixiv等での評価を上げたい、
今よりちょっとだけ絵が上手くなりたい、
といった目的なのであれば、
howto本を買って自宅で勉強するだけでも、絵のレベルアップは充分可能であると思います。


howto本の選び方-本当の課題は何なのか

しかし、ひとくちにhowto本を買って勉強とはいっても、
そのカテゴリに属する本は、昨今非常にたくさん出版されています。
私はほとんどhowto本マニアみたいな状態になってしまっているので、
よさげな本が出たらついうっかり買ってしまうのですが、


買った本の数がいくら増えても、それだけで画力が向上することはありません。
必ず、目を通すだけではなく、本に書かれている内容をきちんと理解しなければなりません。
そのためには、挿絵の模写をしたり、書かれている内容をふまえた絵を
自分の手で何度も描いてみたり、実際に手を動かす必要があります。

こと、絵の技法書に関しては、
文字や図解されている内容は、著者の言いたいことのほんの一部でしかありません。
本体はむしろ挿絵の部分であり、目を通すだけで読み解くのは至難です。
何が書かれているのかを知る為には、実際に鉛筆やタブレットペンをもって再現してみる事。
解説の意図が分からない間は、まず平面図形として同じ形を再現しておきます。
ここはなぜこういう線になり、こういうグラデになるのか分からない、という部分があったら、どのページがわからなかったかメモっておき、他のページや別の本で手がかりになりそうな技術を探します。
前提となる知識を積み上げていくことで、ああこういう事だったのか、というのが段々わかってきます。
または、書いている人の知識が間違っていたり、著者の独自のデフォルメであったということが分かる場合も、あります。

そうやって内容をきちんと理解するには時間がかかりますから、たくさん本を買っても消化できません。
最初から、自分の絵の課題・欠点を解決する方法が書かれた本を厳選して買い、
買った本は、しゃぶり尽くすように深く読み込みましょう。



自分の絵の表層に現れているわかりやすい欠点から手繰っていくと、
本当は自分は何が欠けており、どんな知識と技術が必要なのか、
だんだん明らかになってきます。
私の場合の例では、


最初は、 キャラクターの作画に時間が掛かる為、もっと速く描けるようになりたいと思いました。
描き方を思い返すと、「線の描き直しが多い」のが
時間が掛かる原因になっているように思いました。

描き直しが多い原因は2つあり、

(1) 思い通りの直線・曲線がひけない。
 単純な技術力の問題です。
 ある点からある点までの線を引くとき、傾き、曲率、長さ、入り抜き等を
 思った通りにコントロールできていなかったのです。
 また、フリーハンドで綺麗な円を描く技術もありませんでした。

(2) 人体が理解できていない。
 人間の身体の形を漠然としか理解できていない為に、
 ポーズをとったときに平面上ではどういう形になるのかがわからず、
 適当に描いては消し、試行錯誤で形を見つけようとしていました。


(1) を解決するためには、「キャラクターの絵」を描く以前の、
「正確な線を引く」技術を身につける必要があります。
 これは運動と一緒で、トレーニングをして身につけるしかありません。
 そこで、しばらくの間は、絵を描く前に基礎練をやっていました。

 そのために購入したのは、howto本というか「スケッチ練習帖」系の本です。
 主に小物や風景の作例が描いてあって、直接本になぞり描きするという趣旨の本なのですが、ページを切り離してスキャンし、お絵かきソフト(当時はpainterやComicStudioを使っていた)でなぞって練習しました。
 ちょうど液晶タブレットを購入した頃だったので、液晶タブレット上で主線を引く訓練も兼ねていました。また、小物や風景の苦手意識克服にも役に立ちました。
 スケッチ練習帖をクリアしたあとは、それを参考にして自分で基礎練プログラムを作り、
 まっすぐな線、ナナメの線、逆方向の線、曲線、小さな四角、等、キャラクターではなく図形の線を思うとおりに引くことに注力するというのをしばらくやっていました。


(2) 人体の形については、
 最初は写真のポーズ資料集を買って模写してみたのですが、
 服を着ていると服の下の身体がどうなっているのかわかりません。
 そこで人体デッサンの本を買って模写しはじめたのですが、

 重大な問題がさらに2つ潜んでいる事に気づきます。

(2-1) 皮の中の骨と筋肉の形の知識が無いので、
   身体のシルエット(体表の線)がどうなるかの理解ができない。

   アニメやアクション多めの絵を描く場合、これは致命的な欠点でした。
   デッサン本の前に美術解剖学の本を買って模写しました。

(2-2) 基本の幾何形を正確に描ける能力がないので、
   アタリについての記述の意味が分からない。

   こちらはさらに深刻で、
   絵を描く上ですべての根本になる能力が欠如していたということが判明。
   どういうことかというと、たとえば
   顔のアタリを球または箱形とし、ナナメ向きの顔を描こうとしたとき、
   「顔の中央(1/2)に縦に線を引いて下さい」
   「顔の中央から左右に等間隔に目のアタリを」
......といわれても、「中央(1/2)」「等間隔」の意味がわからないのです。

   立体として中央、等間隔の位置であって、平面上の距離の半分ではないわけですが、え?どこ?となる。
   「基本の幾何形」を正確に描く、および「球の等分割」ができること、
   人体デッサン本では一言も触れられていませんでしたが、
   つまり美術の常識以前の知識と技術が無かったわけでして
   それがわかったときには「私は今まで何を描いていたのか」と思いましたが

   解決の為には、ごく初歩の静物デッサンの本を購入し、一冊模写しました。
   この本にはパースに関しても軽くふれられており、役に立ちました。
   また、静物の現物の模写をやってみて、「見たまま描く」能力が無いということを自覚したので、「脳の右側で描け」等の本を購入して読んだりやってみたりしました。


キャラクターの絵を描くのに時間がかかる
 ↓
人体の形がわからない
 ↓
そもそも、アタリが不正確
 ↓
立方体や球を正確に描ける技術と知識が必要
 ↓
そうか、静物デッサンからはじめよう



......と、こういう流れでした。
そこからは、上記の分岐を逆順に辿って勉強していきました。


自分の絵における本当の課題を発見・自覚し、
1つ1つ不足している知識を補い、技術を積み上げていけば
画力は必ず向上していけると思います。


私が実際に効果を実感した本のみを紹介していきます

これまでほとんど絵を描いた事のない人でしたら、
ぶっちゃけ、どんなhowto本であっても、
1冊まるごと模写すれば役に立たない本はないと思いますが......


ある程度描ける人の場合
本人の絵の欠点(必要とする技術)と
howto本の内容
が合致していなければあまり効果がありません。

また、目指している or 現在の絵柄の方向性によっても、
合う合わないがあります。

他の類書と内容がかぶっていて、
どれか1冊買えば他は必要無い、という場合もあります。



そこで、一連のレビュー記事では
・私が実際に購入し1冊すべて模写したうえで、画力向上に効果があると思った本
のみを、
・何のために、どういう視点で使えば役に立つか、
・どういう段階の人にお勧めなのか
を添えて紹介していきたいと思います。
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